のどが痛い
2012年10月15日 18:04
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のどについて
耳鼻咽喉科を受診される方に特に多い症状が「のどが痛い」というものです。同じのどの痛みでも原因はたくさんあり、潜んでいる病気の種類も多くなります。病気によって痛みを感じる部位も変わってきます。
物理的な損傷(魚の骨が刺さる・切り傷がつく・粘膜がはがれる など)
化学的な損傷(薬品や有害ガスの吸入 など)
熱傷(熱すぎる・冷たすぎるものの摂取 など)
細菌やウイルスによる炎症
悪性腫瘍
神経痛
上記のように、のどに痛みを生じさせる要因は複数あります。また、のど自体ではなく、身体の他の部位に異常があるために痛みを感じる場合もあります。
のどの痛みに対してもまず問診から始めていきます。
いつから痛みがあるのか?
のどのどのあたりに痛みを感じるのか?
どのような痛みか?
発熱など他の症状はないのか?
過去に同じような痛みを感じたことはないか?
など詳しい状況を確認し、次に視診・触診などを行います。
診察の結果、必要であれば以下のような検査も進めていきます。
ウイルス・細菌迅速検査(インフルエンザウイルス、アデノウイルス、溶連菌など)
喉頭鏡検査
細菌培養・同定・薬剤感受性検査
電子ファイバースコープ検査
咽頭の炎症が強いときには扁桃周囲炎や扁桃周囲腫瘍、咽後膿瘍などになっている場合もあります。炎症が喉頭にまでひろがり急性喉頭蓋炎などになると、窒息の危険性も出てきます。そのように重度の炎症ではなくても、急性声帯炎、声帯ポリープ、良性腫瘍、咽頭癌、喉頭癌など詳しく調べる必要のある病気の可能性もあります。
のどは呼吸や食事に関わる大事な部分であり、同時に発声という重要な役割も持っています。のどに痛みを感じた際には少しでも早い受診をおすすめいたします。
鼻水が止まらない
2012年10月15日 18:04
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はなについて
「鼻水が出る」という症状は、実は、身体を健康に保つため・自分の身体を守るために重要な役割を持っています。「鼻水が出る」ということは決して悪いことではなく、鼻水が出ることは当たり前なのです。ただ、鼻水が出すぎること(医学用語で『鼻漏(びろう)』と呼びます)は何らかの病気から生じる場合があります。
「鼻水」の性質は大きく4種類に分けることができます。
- 水性
- 粘液性
- 膿性
- 血性
その性質により考えられる病気・状態も複数あります。
- 水っぽい水性
- アレルギー性鼻炎、髄液漏
- 粘り気のある粘液性
- 慢性副鼻腔炎
- ドロッした膿性
- 急性鼻炎、急性副鼻腔炎
- 血が混じる血性
- 副鼻腔真菌症、鼻副鼻腔腫瘍・癌、多発性血管性肉芽腫症
普段何気なく思われているかもしれませんが、鼻水は身体の不調を教えてくれるバロメータの1つです。赤ちゃんやお子様は自分で症状の説明ができませんので、保護者の方々が日頃の鼻水の様子をしっかりチェックしてあげてください。
鼻水が多くて鼻の奥に溜まったり、鼻からのどに流れて気管に入ったりすると鼻水の中の細菌等が原因で、中耳炎や気管支炎、肺炎などを引き起こすこともあります。
鼻の奥まで鼻水を吸うことはとても大切なことです。ご自宅では「(お子様が)鼻吸引をさせてくれない」「どこまで吸引したらいいかわからない」という場合もあります。
「鼻水を吸ってもらうためだけに受診するなんて・・・」という方もいらっしゃいますが、そんなことはありません。鼻水の吸引処置だけでも耳鼻咽喉科を受診してください。
通院時に鼻水の状態や鼓膜の様子を観察することで病状を確認することも重要です。
十分鼻水をとってあげることでお子様は楽に鼻呼吸ができるようになり、保護者の方の心配も減るのではないでしょうか?
鼻が詰まる
2012年10月15日 18:03
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はなについて
鼻がつまる(医学用語で『鼻閉(びへい)』と呼びます)という症状はよくご経験のあることと思います。この鼻閉という症状を引き起こす病気は数多く存在します。一般的には鼻呼吸が十分にできない状態を鼻閉と言いますが、口呼吸しかできないという重度のものもあり、人により症状の程度は様々です。
鼻閉の原因は大きく分けて2種類で、それぞれ以下のような病気が関ってきます。
1鼻の形態異常
- 鼻中隔弯曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)
- 顔面骨折・鼻骨骨折
- 鞍鼻(あんび)
2鼻粘膜の異常
- 急性鼻炎
- アデノイド増殖症(幼少児の場合が多い)
- アレルギー性鼻炎・花粉症
- 血管運動性鼻炎
- 鼻ポリープ(別名:鼻茸)
- 鼻腔内腫瘍
- 鼻副鼻腔癌
鼻閉は一体何が原因で起きているのか、どの病気なのかで治療法もかわってきます。そのため詳しい診察・検査を受けていただき、原因を突き止める必要があります。
鼻閉は日常生活に様々な悪影響を及ぼします。少しでも快適な日常生活をおくるために、鼻がスーッと通る環境づくり・健康を保つことは大切なことです。少しでも「鼻がつまるなぁ・・・。」と感じられた方は早めに受診をしてください。
鼻に血が混ざる
2012年10月15日 18:02
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はなについて
鼻血(医学用語では『鼻出血』と呼びます)はよく見られる症状ですが、何らかの病気・障害から生じている場合もあります。原因を探ることも大切ですが、鼻血が止まらない場合、まずは出血している部分を確認し止血する必要があります。
- 出血している部位の具体例は以下のようなものです。
- 鼻腔の手前(キーゼルバッハと呼ばれる鼻出血がよくおこる部位。)
- 鼻腔の奥の方
- 鼻腔の粘膜全体
鼻出血にはいくつか原因があるため、自己判断で受診を先送りにされると隠れている病気に気づけない場合もあります。
例えば、お子様の顔にボールが当たって鼻出血が起こった場合、粘膜のダメージだけのこともありますが、同時に鼻骨骨折を起こしている可能性もあります。
日常生活において頻繁に鼻出血を起こすお子様は、血液や血管の病気を持っている可能性もあります。大人の方の場合は、それに加えて鼻副鼻腔の腫瘍や癌、多発性血管炎性肉芽腫症などの病気、内服薬の影響なども考えられます。
「鼻血で病院に行っていいの?」と考えられる方も多いですが、鼻出血の止血・診断は耳鼻咽喉科で扱うものの一つです。まずは応急処置としてご自身で鼻翼(小鼻のところ)の圧迫止血を試していただき、なかなか止まらない場合は必ず受診してください。
また、応急処置で止まっても度々出血する場合、原因特定のため受診いただくことをおすすめします。
ニオイを感じない・鈍く感じる
2012年10月15日 18:02
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はなについて
「においを感じない」「においを鈍く感じる」という症状がある患者さんは嗅覚障害の可能性が考えられます。その場合、まず障害の起こっている部位を特定することが必要です。
嗅覚障害を起こす部位は「鼻腔」「嗅細胞」「嗅球」「高次中枢」に分かれており、それによって考えられる病気が異なります。例えば、アレルギー性鼻炎で引き起こされる嗅覚障害は「鼻腔」が狭くなること、「嗅細胞」がトラブルを起こしていることなどが原因となります。また副鼻腔炎で嗅覚障害が引き起こされることもあります。
においを感じないということは皆さんもご経験があるかもしれませんが、例えると、風邪で鼻がつまるとにおいを感じないという状態と同じです。これは、においを感じる部分までにおい物質が届いていないからです。
当院ではにおいを感じないという症状の方の場合も下記のような問診をとって診療させていただいております。
嗅覚に異常を感じたのはいつからなのか?
その前に風邪をひいたりはしていなかったのか?
どれくらいの続いているのか?
他に鼻の不具合はないのか? (鼻水や鼻づまりの有無)
全くにおいを感じないのか?
ある特定のにおいは感じるのか? 識別できるのか?
(例:カレーやコーヒーのにおいだけ感じる。
においがあるのはわかるが何のにおいかわからない。など)
問診の後には診察を行い、必要に応じてアレルギー検査、副鼻腔レントゲン撮影などを行わせていただきます。
嗅覚障害は症状の経過も治療期間も長くなりがちな病気です。まずはあきらめず、根気よく治療を続けるてみることが大事です。少しでも嗅覚に異変を感じましたら耳鼻咽喉科での診療を受けてください。
耳が詰まる
2012年10月15日 17:50
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みみについて
耳がつまる(医学用語で『耳閉感(じへいかん)』と呼びます。)という症状で受診される方は、案外たくさんいらっしゃいます。この耳がつまるような感じは様々な原因から生じます。
その原因が耳のどの部分にあるかによって、考えられる病気・治療法もかわってきます。
耳は外耳(がいじ)・中耳(ちゅうじ)・内耳(ないじ)と大きく3つに分けることができます。外耳とは耳たぶから鼓膜(こまく)までの部分で、普段皆さんが耳そうじをする部位を外耳道(がいじどう)と言います。中耳とは鼓膜の奥にある骨の壁に囲まれた空間で、音を伝えるために大切な働きをします。内耳とは中耳のさらに奥にある骨に埋もれた部分で、音を感じるための神経細胞、平衡感覚を保つための仕組みがある部分です。
外耳に原因がある場合
・耳垢栓塞(じこうせんそく)
・外耳道異物
・外耳道炎
・鼓膜炎
・外耳道真珠腫(がいじどうしんじゅしゅ)
・外耳道癌
中耳に原因がある場合
・耳管狭窄症(じかんきょうさくしょう)
・耳管開放症
・急性中耳炎
・慢性中耳炎
・滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん))
・真珠腫性中耳炎
内耳に原因がある場合
・メニエール病
・突発性難聴
・低音障害型難聴
・感音難聴・混合難聴
などの可能性があります。
「耳がつまる」という症状は、時に大きな病気のサインとなることもあります。
「もしかすると耳垢(みみあか)が溜まっているだけかもしれない・・・。それだけで受診するのも・・・。」と思われるかもしれません。しかし、実際に耳垢が溜まっているだけの場合でも、耳垢栓塞(耳垢が溜まりすぎて耳栓のようになる状態)になると痛みや炎症が生じることがあります。
耳垢を取ることは耳鼻咽喉科クリニックで行う治療のひとつです。
特に赤ちゃんや小さなお子様は耳そうじが難しく、ご自宅で行うのはとても大変です。大人の方でも外耳道の形態上の問題や、手先の問題から耳そうじが難しい方もいらっしゃいます。無理にそうじをしようとして外耳道を傷つけてしまうこともありますので、そのような方も是非受診して下さい。
耳だれが出る
2012年10月15日 17:49
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みみについて
耳だれ(医学用語では『耳漏(じろう)』と呼びます。)が出てくる原因は様々です。
※耳だれ(耳漏)とは耳から液体が出てくる状態、もしくは出てくる液体のことをいいます。
耳だれ(耳漏)には多くのタイプがあり、状態によって考えられる病気がかわってきます。以下に代表的なタイプを挙げます。
- ・無色透明の水のような漿液性(しょうえきせい)の耳だれ
- ・粘り気のある粘液性
- ・ドロッとした粘膿性(ねんのうせい)
- ・血が混じった血性(けっせい)
- ・無臭のもの
- ・臭いのあるもの
耳漏が生じる部位も1箇所ではなく、大きく分けると外耳道、鼓膜、中耳の3箇所で、それぞれ以下のような病気が原因となります。
外耳道からの場合
- ・外耳道湿疹
- ・外耳道炎
- ・外耳道癌
鼓膜からの場合
- ・鼓膜炎
中耳からの場合(ほとんどに鼓膜穿孔(鼓膜に穴があいた状態)を伴っています)
- ・急性中耳炎
- ・真珠腫性中耳炎
- ・慢性化膿性中耳炎
実際に耳漏が出た場合、ご自身の感覚としてどの部分から出ているのかわかりづらく、診察を受けないと診断がつかないことがほとんどです。耳漏が出た時点で、できるだけ早く受診いただく方がよいでしょう。
耳鳴りがする
2012年10月15日 17:48
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みみについて
「耳鳴り」はご自身以外には聞こえていないことが多いので、他人には症状が伝わりづらいのが特徴です。(例:「キーン」「ジーン」という音が聞こえているが、周りの人には聞こえていない。)鳴っていると感じる部位も「右耳」「左耳」「両耳」「頭の中」など人によってとらえ方は様々です。
健康な方でも年齢を重ねるに連れて耳鳴りを感じるようになるとも言われています。あるデータでは40歳代~50歳代の10%以上の方に見られるそうです。
「耳鳴り」の原因として考えられる病気には以下のようなものがあります。
◆外耳道異物
◆耳垢・耳垢栓塞
◆中耳炎
◆内耳障害
◆突発性難聴などの感音難聴
◆メニエール病
◆聴神経腫瘍
また、耳だけではなく、頭蓋内や全身の病気から起こることもあり、ストレスなどの心理的なものが原因で起こる耳鳴りなどもあります。
「耳鳴り」を訴えて来院される方の中には難聴を伴っておられることが多いのも特徴の一つです。その場合には難聴の原因を探り、耳鳴りよりも難聴に対する治療を優先する場合があります。
「耳鳴りがしている気がするけど、何科に行ったらいいのだろう?」
「耳鳴りで受診してもいいのかな?」
「耳鳴りって治らないって聞いたけど・・・。」
まずは耳鼻咽喉科受診をしてみてください。耳鳴りの少ない人生を送るには、早めに適切な診療を受けることが何よりも大切になります。
耳が聞こえにくい
2012年10月15日 17:48
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みみについて
「音や言葉が聞きとりづらい」というときに、単純に耳あか(医学用語では『耳垢(じこう)』と呼びます)が溜まって聞こえが悪くなっているという場合があります。その場合は耳垢を取り除けば聞こえがよくなります。しかし、それ以外の原因で「聞こえが悪い」例も当然あります。
- 中耳炎が悪化して聞こえが悪くなる
- メニエール病
- 突発性難聴
- 老人性難聴
- 聴神経腫瘍(ちょうしんけいしゅよう)
- 鼓膜穿孔(こまくせんこう)
などが主ですが、その他にもいくつか原因があります。
いわゆる「難聴」を疑う場合、大きく分けて3つのタイプに分けられます。
1.外耳と中耳が病気になって起こる伝音難聴
2.内耳より奥の部分が病気になる感音難聴
3.①と②の両方がある混合難聴
難聴に気づかれた方がご自身で伝音難聴か感音難聴かを判別することは難しく、混合難聴の場合はより複雑になります。難聴の原因をしっかりと調べる必要がありますので、早めに受診されることをおすすめいたします。
「聞こえが悪い」という症状で来院された場合、しっかりとお話をうかがった上で適切な処置や聴力検査等を行っていきます。
特に急に生じた感音難聴は早期に治療しないと回復しづらいことがよくあります。「ちょっと聞きとりづらいなぁ」と感じられた時点で診断・治療を開始していくことが重要なポイントとなります。難聴の場合には複数回の通院が必要となることもありますが、なるべく早めに受診・治療開始いただくことが何よりも大切です。
耳が痛い
2012年10月15日 14:51
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みみについて
耳が痛い(医学用語で『耳痛(じつう)』と呼びます)という症状で来院される方は、たくさんいらっしゃいます。
「耳が痛い」という症状の原因は多数ありますが、大きく3種類に分けられます。
- 1.「耳性耳痛」という耳そのものに原因がある場合
- 2.「非耳性耳痛」という耳以外に原因がある場合
- 3.心因性の場合(心理的・精神的なもの)
- ・耳性耳痛
- →急性外耳道炎・外耳道膿瘍(がいじどうのうよう)
- →耳ヘルペス・耳性帯状疱疹(じせいたいじょうほうしん)
- →外耳道癌
- →外耳道真珠腫、中耳真珠腫
- →鼓膜炎
- →急性中耳炎
- →先天性耳瘻孔(せんてんせいじろうこう)の感染
- →耳管狭窄症
- →耳管開放症
- ・非耳性耳痛
- →顎関節症(がくかんせつしょう)
- →歯性疼痛
- →急性耳下腺炎
- →耳周囲のリンパ節炎
- →放散痛(全く別の部位で生じた痛みを耳にも感じる)
(例:咽頭の炎症、咽頭癌、茎状突起過長症など)
- →三叉神経痛、舌咽神経痛などの神経痛
- →肩こり・首こり(凝った筋肉が頸神経を刺激する)
- ・心因性
- →フラストレーション
- →ストレス
「耳が痛い」という訴えで来院された場合、詳しく症状をお聞きし、上記から原因をいくつかに絞った上で必要な検査や処置を行います。
耳痛はお子様からご年配の方まで幅広い年齢層でみられる症状です。赤ちゃんは言葉が話せないので、特に注意が必要です。
「少し痛いだけだからしばらく様子をみよう」と先延ばしにしてしまいがちですが、悪化してしまうと治るまでに時間がかかることがあります。
早めに受診いただき早期治癒を目指していきましょう。